こんにちは。港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院です。
「インビザラインだと抜歯しなくても矯正できるのかな」「インビザラインでも抜歯が必要な症例がある?」など、インビザライン矯正における抜歯について疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
今回は、インビザラインで抜歯するメリット・デメリットや、抜歯が必要な症例について解説します。インビザラインを検討している方はもちろん、歯並びをきれいにしたいと考えている方も、ぜひ参考にしてください。
インビザラインとは?
インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発した歯列矯正方法です。着脱可能な透明なマウスピースを使って歯並びを整えます。
1日20時間以上透明なマウスピースを装着して、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換して理想の歯列を目指します。従来の歯列矯正と違い、透明なマウスピースを使用するので目立ちにくいことが特徴です。
ワイヤー矯正よりも歯に加える力が弱いため、痛みも少ないとされています。従来の矯正と違って矯正装置を着脱可能なため、食事・歯磨きをふだんどおり行えることも特徴でしょう。マウスピースも洗えるので、虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。
インビザラインで抜歯をするメリット
ここからは、インビザラインで抜歯をするメリットについて解説していきます。
治療期間を短縮でき、治療計画が立てやすくなる
大きく位置がずれている歯があった場合、まずその歯を正しい位置へ動かす必要があります。その歯を入れ込むスペースがない場合は、他の歯も移動させなければなりません。
位置が悪い歯を抜歯してしまえば、新たにスペースを作る必要はなくなります。全体的に歯を移動させる必要がなくなるので、治療期間を短くできる可能性があるでしょう。
歯肉退縮を防げる
歯を大きく動かす必要がある場合は、歯を支える歯茎や歯肉にも強い力がかかります。その結果、歯肉が減って歯根が露出する、歯肉退縮が起こる可能性があります。
抜歯することで大きな歯の移動が必要なくなれば、歯肉退縮のリスクを回避できるかもしれません。
複雑な矯正もできるようになる
インビザラインは、全ての歯をマウスピースで覆って歯並びを整える矯正方法です。大きく位置がずれた歯があったり、歯の生える向きが悪かったりする場合は、マウスピースで歯を完全に覆うことができません。
抜歯することで、マウスピースで歯を覆うことが出来るようになるでしょう。インビザライン矯正がスムーズに進む可能性が高まります。
インビザラインで抜歯をするデメリット
ここからは、インビザラインで抜歯するデメリットをご紹介します。
痛みや腫れが生じる
抜歯後は、痛みや腫れが生じることが多いです。特に、親知らずを抜く時は大病院の口腔外科での手術となる場合もあります。顎の骨を削らなければならないこともあるため、痛みや腫れが長引くこともあるでしょう。
健康な歯を抜かなくてはならない
インビザライン矯正に限らず、矯正治療での抜歯では、健康な歯を抜くことになります。虫歯などの問題を抱えていない健康な歯をあえて抜くということは、非常に大きなデメリットです。
隙間が気になる場合がある
インビザライン矯正で抜歯を行う理由は、歯を動かすスペースを得るためです。当然ですが、抜歯箇所に隙間ができてしまいます。
インビザラインのマウスピースでは、1枚あたり0.25mmほど歯を移動させます。1か月に1mm程度しか移動しないので、しばらくは隙間がある状態で生活しなければなりません。
見た目が気になる場合や、食事の際にストレスを感じる場合もあるでしょう。
インビザラインで抜歯が必要な症例
ここまで、インビザライン矯正で抜歯をするメリットとデメリットをご説明してきました。痛みが生じる、食事を楽しめない、すき間が目立つというようなデメリットはあるので、できれば抜歯したくないと考える方もいるでしょう。
しかし、抜歯が必要な症例もあります。一つずつ確認しましょう
歯を並べるスペースが大きく足りない場合
インビザラインに限らず、十分なスペースがなければ歯を正しい位置に移動できません。日本人は歯に対して顎が小さいことが多く、綺麗に並ぶスペースが足りないことで歯並びが乱れるケースが多いです。
このような場合は、抜歯することで歯を正しい位置に動かすスペースを確保する必要があります。
歯の生える向きが悪く効果が見込めない場合
歯の生える向きが悪い場合は、抜歯したほうがよいかもしれません。もちろん、向きの調整が可能な場合もあります。
しかし、そもそもマウスピースで覆えないケースや、他の歯に干渉するケースでは、抜歯したほうがいいと判断されるでしょう。
前歯が突き出ている場合
前歯が大きく突き出ている症例は、抜歯することが多いです。抜歯せずに治療を進めて前歯を歯列に収められても、突出感が改善されない可能性があるためです。
このような場合は抜歯をし、前歯を後ろに動かすスペースを作り出すほうがよいでしょう。抜歯して歯を大きく移動させることで、口元の突出感を改善できる可能性が高まります。
インビザラインで抜歯せずに治療できる症例
インビザライン矯正で抜歯が必要な症例をご紹介しましたが、抜歯する必要がない場合もあります。
ここでは、インビザライン矯正で抜歯が必要ない症例をご紹介していきます。
歯を動かすスペースが確保できる症例
どのような矯正方法でも、歯を動かせるスペースがあれば抜歯をする必要はありません。具体的には、すきっ歯が挙げられるでしょう。
また、歯を収めるスペースが少し足りない程度であれば、IPRという処置で矯正治療を進められる可能性があります。IPRは、歯の側面をヤスリで削ってスペースを作り出す方法です。
奥歯を後方に動かすことが出来る症例
奥歯を後ろに動かしてスペースを確保できる場合は、抜歯する必要はありません。
ただし、歯は顎の骨から離すことはできません。奥歯の後方に骨がない場合は、この方法は選択できないでしょう。
矯正をする前に親知らずを抜歯していた場合などは、奥歯を後ろに動かすことができる可能性が高いです。
歯列の幅を広げることができる症例
歯列の幅を広げられる場合も、抜歯は必要ないでしょう。歯列のアーチを広げることができれば、全体的にスペースを作れます。
ただし、広げられる歯列の幅には限度があります。また、子どもの場合は骨が柔らかいので効果が出やすいですが、大人の場合は思ったように広がらないことも多いです。
どのタイミングで抜歯をする?
基本的には、インビザライン矯正を始める前に抜歯するのが一般的でしょう。マウスピースを装着する前に抜歯することで、歯の移動をスムーズに進められます。
治療途中でスペースが十分でないと判断され、抜歯が必要になることもあるかもしれません。実際の抜歯のタイミングは患者様によって異なるので、治療開始前にしっかりと確認しましょう。
抜歯をすると治療期間が長くなる?
抜歯する必要がない症例と比較するのであれば、抜歯をすると治療期間が長くなるでしょう。抜歯の必要な症例は、いずれもかなり歯並びが悪い状態であるといえます。移動させる歯の本数が多く、移動距離も長くなるので、治療期間も長くなる傾向があります。
ただし、大きくずれた歯を抜歯せずにインビザライン矯正を行う場合は、抜歯したほうが治療期間が短くなる可能性が高いです。
抜歯をする場合の費用
インビザライン矯正で抜歯をする場合、1本あたり1万5,000円から3万円程度かかるでしょう。虫歯治療などで抜歯をする場合と違って、保険が適用されないため高くなる傾向があります。
歯科医院によって矯正治療における抜歯にかかる費用は異なります。
まとめ
今回は、インビザラインで抜歯が必要な症例や、抜歯するメリット・デメリットについて解説しました。
抜歯は痛みや腫れを伴うので、できれば回避したいと考える方が多いでしょう。
しかし、治療期間を早めたり、複雑な矯正も可能にするなどのメリットがあります。抜歯しなければ治療を進められない症例もあるでしょう。
歯の位置や生える向きが悪く、インビザラインでは治療が難しい症例でも、抜歯をすることで可能となる場合もあります。インビザライン矯正を検討する際は、抜歯が必要になることも考慮しておきましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院にお気軽にご相談ください。