こんにちは。港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院です。
マウスピース矯正の後に、後戻りしたという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。せっかく矯正治療をした歯並びが元に戻るのは避けたいと思う方が多いでしょう。
本記事では、マウスピース矯正の後戻りの原因や対策について解説します。
後戻りとは?
後戻りとは、矯正治療後に歯が元の位置に戻ることです。矯正治療が終了した直後は、歯を支える骨の状態が安定していません。そのため、後戻りの可能性が最も高く、しかるべき対策をしなければほぼ100%の確率で後戻りするとされています。
せっかく長い時間と高い費用をかけて矯正治療をしたのですから、美しい歯並びや噛み合わせをキープしたいと思うことでしょう。後戻りを防ぐためには、後戻りの原因と対策を知ることが重要です。
マウスピース矯正後に後戻りする原因
まずは、マウスピース矯正後に後戻りする原因について見ていきましょう。主な原因は4つあります。
リテーナーを装着していない
リテーナーを装着していないとほぼ確実に後戻りします。リテーナーは保定装置とも呼ばれ、歯並びを安定させるために装着する装置です。リテーナーを装着することで歯が動くのを防ぎ、理想の歯並びをキープします。
リテーナーを装着する期間は1年から3年です。歯並びを整えるのにかかった期間と同じとすることもあるでしょう。
矯正治療後の定期検診で、歯並びの状態を確認し様子を見て保定期間を決めます。マウスピース矯正が終了したあとは装置から解放されると安心する方が多いですが、何も装着せずに過ごすと後戻りするので要注意です。
リテーナーの装着時間が短い
リテーナーを装着していても、装着時間が短いと後戻りします。固定式のものであれば時間を機にする必要はありませんが、リテーナーは1日20時間以上装着しなければなりません。
マウスピース矯正でも装置を1日20時間装着する必要があるので、同じと考えてよいでしょう。
しかし、矯正治療が終わったと安心して、装置を装着するのを忘れたり、食後しばらく放置していたり、洗浄液につけたまま忘れたりすることがあります。意図的ではないとしても、気づかないうちに装着時間が短くなっている場合は後戻りをするリスクが高くなるでしょう。
歯並びに影響する癖がある
リテーナーを正しく装着しているにも関わらず後戻りをする場合は、何らかの癖が原因で歯に力が加わっている可能性があります。例えば次の癖は、歯を動かすため要注意です。
- 舌で歯を押す
- 口呼吸をする
- 頬杖をつく
- 横向きに寝る
- 唇を噛む
- 指や爪を噛む
特に、緊張したときや集中しているときに気づかずに唇を噛んだり、舌を動かしたり、爪を噛んだりする方が少なくありません。上記の癖があると歯に力がかかり、少しずつ動かすため後戻りの原因となります。
虫歯や歯周病
加齢や歯周病で歯並びが変化することがあります。例えば、歯周病が悪化すると歯茎や歯槽骨などの歯周組織が破壊されます。
放置していると歯を支えている歯槽骨が溶けるため、歯がグラグラし始めます。安定しないので、後戻りするリスクが大きくなるでしょう。
また、虫歯で歯を失った場合、歯並びが変わる可能性が否定できません。虫歯や歯周病になると治療が必要なので、一定期間リテーナーを装着できなくなる可能性もあるでしょう。
リテーナーを装着していないと、後戻りが進むリスクがさらに高くなるでしょう。
マウスピース矯正後に後戻りするのを防ぐ方法
後戻りの原因を念頭に置きつつ、マウスピース矯正後に後戻りを防ぐために下記の点に注意しましょう。
リテーナーを正しく装着する
リテーナーの装着方法、時間を守って正しく装着してください。先ほども触れた通り、リテーナーを装着する期間は1年から3年で、着脱可能な場合は1日の装着時間を20時間以上確保してください。マウスピース矯正の治療を受けているときの状況と変わりません。
矯正治療と同じくらい、リテーナーの装着も重要だという認識を持ちましょう。一定期間リテーナーを装着した後、歯科医師がリテーナーをつけなくてもよいと判断するまではしっかりとつけてください。
リテーナーが必要なくなった後も、就寝時だけ装着する、1週間のうち1日は装着するなどすると、後戻りをさらに防げます。
癖に気をつける
頬杖をつく、舌や唇で歯を押す、横向きに寝るなどの癖がある場合、できるだけ辞めるように心がけてください。これらの癖は歯に力をかけ続けるため、後戻りの原因になります。
しかし、自分が何気なくしている癖に気づくのは難しいでしょう。家族や親しい友人に聞いたり、自分でも癖がないか注意したりして確認してください。
特に、集中しているときやストレスを感じているとき、緊張しているときなどに無意識に行うことが多いです。癖に気づいた段階でやめるように意識してみましょう。
口腔ケアをしっかりと行う
日頃から口腔ケアを徹底することも大切です。特に、噛み合わせの面や奥歯、歯と歯の間、歯と歯茎の境目など、歯周病や虫歯になりやすいところは意識して磨いてください。同じ部分にプラークが残り続けると、歯周病や虫歯の原因になります。
歯ブラシを使って磨くだけではなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどのツールを使って効率的に汚れを落としましょう。矯正治療終了後は歯並びが整っているので、歯磨きがしやすくなっているはずです。正しい磨き方を歯科衛生士から教わって身につけてください。
定期検診に通う
矯正治療後も定期検診に通い、歯並びの状態や口腔内の状況などを確認してもらいましょう。自分では気づかないうちに歯周病や虫歯になっている場合も早めに処置できるからです。
また、後戻りに関するチェックも頻繁にできるため、問題があっても早く対処できるでしょう。定期検診の際にPMTC(プロによる専門的な口腔清掃)やフッ素塗布を行ってもらえば、さらに良好な状態をキープしやすくなります。
マウスピース矯正後に後戻りしたときは
「マウスピース矯正後に後戻りしたらどうしたらいい?」と考えることもあるでしょう。後戻りの対応は、口の中の状況によって変わります。
リテーナーで再度保定をして様子を見ることもあります。大きく歯が動いている場合は、再度矯正治療をしなければならないでしょう。
再度矯正治療をするといっても、数年に及ぶ矯正治療は必要ないことが多いです。部分矯正など簡単な治療で終わるケースが多いでしょう。
定期検診に通っていれば後戻りの兆候に早期に気づけます。早めに対処できるので、比較的簡単な対処で終わる可能性が高くなります。
軽度な後戻りであればリテーナーを再度装着して改善できるかもしれませんが、自己判断せずに必ず歯科医師に相談しましょう。どのような場合でも、歯科医師としっかりと話し合って後戻りの対応をするのが重要です。
まとめ
矯正治療が終了した直後は、歯槽骨をはじめとする歯周組織が安定していないため、簡単に後戻りします。後戻りを防ぐためには、リテーナーという保定装置を1年から3年ほど装着しなければなりません。
リテーナーは1日20時間以上装着する必要があるため、マウスピース矯正の装置をつけている状態とほとんど変わりません。マウスピース矯正を検討する際は、矯正治療期間に加え、リテーナーを装着する期間についても考えておきましょう。
また、頬杖をつく癖や舌で歯を押す癖、歯周病などの影響で歯並びが変化するリスクもあります。知らないうちに何気なくしている癖があることに気づいた場合は、やめる努力をしてください。
定期検診に通って、口腔内の状態や歯並びを定期的にチェックしてもらうことも重要です。問題に気づいたらすぐに対応できるので、定期検診は怠らないでください。
マウスピース矯正を検討されている方は、港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院にお気軽にご相談ください。