こんにちは。港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院です。
歯並びを整える際に、歯が並ぶスペースが足りないことは少なくありません。その際は、矯正治療を行うために健康な歯を抜くこともあります。
しかし、歯を抜くことには抵抗を感じる方もいるでしょう。床矯正で治療を行うことで、顎の骨の幅を広げてスペースを作ることができます。
今回は、床矯正がどのような治療なのか、メリットやデメリットは何かを解説しながら、その費用について詳しくご紹介します。費用の負担を抑えるための方法も追求しますので、床矯正に興味のある方は参考にしてください。
床矯正とは
床矯正とは、床部分がレジンで作られており、歯にひっかけるためのワイヤーがついている矯正装置です。装置にあるネジを巻くと徐々に広がるので、顎の骨の幅を広げられます。
一般的に床矯正での治療の対象となるのは、永久歯が生えそろう前の成長期の子どもです。年齢にすると、6歳~12歳頃が該当します。
床矯正では、顎の成長を利用して、顎の骨を広げて歯が綺麗に並ぶためのスペースを確保します。
稀に大人に対して床矯正を行うこともありますが、成長が終わった大人では顎の骨が広がる効果が十分得られません。歯並びを細かく整えられるほどのスペースを確保するのが困難なので、メリットが小さいといえるでしょう。
床矯正の場合、成長の時期を見極めて治療を始めることが大切です。
床矯正のメリット・デメリット
子どもの矯正治療において、床矯正を選択するケースは少なくありません。
床矯正のメリット
床矯正を選択するメリットは、以下のとおりです。
顎の骨を広げられる
矯正治療では、すべての永久歯がきれいに並ぶスペースが作れないために、一部の歯を抜歯することがあります。健康な歯を抜くことは、多くの方にとって抵抗があるでしょう。
床矯正では顎の骨を広げることが可能であるため、大人になってさらに矯正が必要になっても抜歯を避けられるケースが多いです。また、床矯正を事前に行って入れば大きな歯の移動の必要もなくなるので、成人矯正は短期間で完了するケースが少なくありません。
自分で外せる
床矯正は取り外しが可能です。患者さまの状態にもよりますが、夜のみ装着するだけでよいケースもあります。
食事の際には外せるので、装置に食べ物が挟まるなど食事中に不便なことはありません。昼間にも装着する場合でも、スポーツの際や写真撮影などでは簡単に外せます。
痛みが少ない
床矯正は、固定式のワイヤー矯正と比較すると力のかかり方が緩やかです。そのため、装着した際の痛みは少ないとされています。
痛みに関しては個人差があるので、装着するのがつらいと感じたり痛みがあったりする場合、早めに歯科医院に相談してください。
お手入れが簡単
床矯正は、基本的には外した時に流水で水洗いし、指でやさしくこすってお手入れします。歯ブラシを使うなら、毛先が柔らかいものを使いましょう。
費用を抑えられる
床矯正は、矯正治療の中では比較的費用が安い治療方法です。タイミングがあれば、大きな費用対効果が見込めます。
床矯正のデメリット
床矯正のデメリットは、以下の通りです。
自分で管理する必要がある
床矯正は取り外しができるため、装着し忘れることもあります。この場合、治療計画通りに治療が進みません。
装着が習慣化するように、お子さまをサポートすることが大切です。
発音しにくくなる
床矯正の装置を装着している時は、上手に発音できないことがあります。そのため、学校や習いごとがある時の装着は適さないといえるでしょう。
違和感や異物感がある
床矯正の装置は硬い素材で作られているため、装着時に違和感や異物感があります。慣れないうちは、装着することを嫌がられることも考えられます。
他の治療が必要になることがある
床矯正を行った後で、さらに歯を整えるためにマウスピース矯正やワイヤー矯正が必要になることもあります。
ただし、床矯正をしていないケースと比べて、治療期間は短くなる傾向があります。歯を並べる土台を作れるので、床矯正が無駄になるわけではありません。
床矯正の費用相場
床矯正は、一般的に自由診療で行う治療です。そのため、歯科医院によってかかる費用は異なります。
費用の総額の相場は、30万円~40万円ほどです。費用の内訳は、以下の通りです。
カウンセリング
矯正治療を行う前に、歯並びや顎の状態を確認し、治療方法や治療期間、費用についての説明を受けます。カウンセリングのみの場合は、無料で行っている歯科医院もあります。費用の相場は、無料~1万円程度です。
検査・型取り
レントゲン撮影をしたり歯型を取ったりして、治療計画を立案します。検査・型取りの費用の相場は、3万円~5万円です。
床矯正の装置
型取りを行った後、2週間程度で床矯正の装置が完成します。装着の仕方やお手入れの仕方などの説明を受けます。
床矯正の装置の費用の相場は、15万円~20万円です。
矯正装置の調整
自宅で床矯正による治療を進めますが、定期的に歯科医院に通う必要があります。歯科医師が治療の進み具合に合わせて、矯正装置を調整するためです。
定期検診の費用は、1回につき2,000円~5,000円程度です。
保定装置
治療計画通りに歯が並び、顎のスペースが広げられたら、後戻りを防ぐために保定装置を装着します。床矯正の装置をそのまま使用することもありますが、新たに保定装置を製作することもあります。
保定装置を製作した場合は、1万円~5万円程度かかります。
床矯正は保険適用となる?
多くの場合は、矯正治療は保険適用になりません。
しかし、以下の条件に当てはまる方は保険適用となります。
参照元:公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」
厚生労働大臣が定める疾患の方
歯並びが乱れている原因が、厚生労働大臣が定める59種類の疾患である場合、矯正治療が保険適用となります。
顎変形症に対する手術前後の矯正治療
顎の発育異常や歪みによって噛み合わせが悪くなったり、顔が歪んだりする症状を、顎変形症といいます。顎変形症の患者さまについては、歯並びが乱れている原因は骨格にあるため、外科的な治療が必要となります。
その際に矯正治療を行う時は、保険が適用されます。
3本以上の前歯が永久歯萌出不全の場合
歯が生えかわる時期になっても、永久歯が歯茎の中で埋まったままになり、生えてこないことを永久歯萌出不全と言います。この場合、永久歯を生えさせるために歯茎を切開する必要があります。
3本以上の前歯が永久歯萌出不全で、埋伏歯開窓術を行って歯科矯正治療を実施する場合は、矯正治療の費用も保険適用となります。
床矯正は医療費控除の対象となる?
床矯正を行う際に保険適用となる可能性は高くありませんが、医療費控除の対象となるケースは少なくありません。歯科医院で受ける治療でも、見た目を改善するための審美目的である場合は医療費控除の対象外です。
しかし、口腔機能に関わる噛み合わせの改善のため、もしくは顎の成長を適切に促すための治療である場合は、医療費控除の対象となります。子どもが受ける床矯正の場合は、医療費控除の対象となる可能性が高いといえます。
医療費控除を受けられるか心配な方は、治療を受けている歯科医院に相談しましょう。医療費控除を受ける場合は、確定申告が必要なので定められた時期に実施してください。
まとめ
床矯正は、成長を利用して顎の骨の幅を広げる矯正治療です。永久歯に生え変わる前のお子さまの多くが治療を受けています。
お子さまの歯並びが悪い、生えてきた永久歯が大きい、乳歯の段階でスペースに余裕がないといった場合は、早いうちに一度矯正治療を行っている歯科医院に相談してみましょう。
床矯正の費用は歯科医院によって異なりますが、他の矯正治療と比較して安価な場合が多いです。子どもの段階である程度歯並びが整うことも大きなメリットです。
保険適用となることは少ないですが、医療費控除の対象になることは多いので、確定申告を行うと負担を軽減できます。
床矯正を検討されている方は、港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科や審美歯科、矯正歯科など小児歯科など、さまざまな診療を行っています。診療案内はこちら、お問い合わせフォームもご用意しておりますのでぜひご活用ください。