こんにちは。港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院です。
マウスピース矯正は、透明で目立たない利便性が魅力ですが、すべての歯並びや噛み合わせに適しているわけではありません。
この記事では、マウスピース矯正で治療できないケースについて具体例を紹介し、その際の対処法や、他の矯正方法についても解説します。これらの情報を参考に、自分にあった矯正方法を見つけてください。
マウスピース矯正の特徴
マウスピース矯正は、透明で取り外し可能なプラスチック製のマウスピースを使って歯並びを整える矯正方法です。最大の特徴は、装着時に目立たないことです。見た目を気にせずに治療を進められることが大きなメリットでしょう。
また、取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際にマウスピースを外して口腔ケアができます。さらに、金属を使用しないため、金属アレルギーの心配もありません。
ただし、1日20~22時間以上の装着が必要であり、自己管理が求められます。軽度から中等度の歯並びの乱れに対応可能で、治療計画に基づいて段階的に歯を動かしていきます。
マウスピース矯正ができない例
マウスピース矯正はすべての歯並びや咬合の問題に適しているわけではありません。以下に、マウスピース矯正では治療できない例について解説します。
歯の重なりや回転が著しい場合
歯の重なりや回転が非常に強い場合、マウスピース矯正だけでは十分に歯の位置を変えられないことがあります。従来のワイヤー矯正では強い力を持続的にかけることができるため、こうしたケースにも効果的に対応できます。
噛み合わせが大きくズレている場合
咬合不良(噛み合わせの異常)が重度な場合、マウスピース矯正では対応が難しいことがあります。例えば、開咬(上下の歯が噛み合わない状態)や、深いオーバーバイト(上の前歯が下の前歯を大きく覆ってしまう状態)などは、マウスピース矯正では治療が難しいです。
複雑な歯の移動が必要な場合
歯の移動が長く複雑な動きが必要とされる場合、マウスピース矯正だけでは十分な結果が得られないことがあります。上下の歯の位置関係を大きく修正する必要がある場合や、顎の成長に伴う大規模な歯の移動が必要な場合は、ワイヤー矯正や外科手術が必要でしょう。
口腔内の健康状態が悪い場合
マウスピース矯正に限らず、矯正治療を始める際は口腔内の健康状態が重要です。歯周病や虫歯が進行している場合、矯正治療を行う前にこれらを治療する必要があります。
特に、歯周病が進行している場合、歯を支える骨が弱くなっているため矯正治療を行えないかもしれません。治療せずに矯正を進めると、歯周病が悪化したり、矯正力に耐えられず歯が抜け落ちたりする可能性があるためです。
自己管理が難しい場合
マウスピース矯正では1日20~22時間以上マウスピースを装着しなければならず、患者さまの協力が不可欠です。装着時間が守られなかったり、指示通りにマウスピースを交換しなかったりする場合、十分な治療効果が得られないことがあります。
特に、子どもや忙しい大人で自己管理が難しい場合、計画通りに治療が進行しない可能性が高く、マウスピース矯正は向かないと判断されるかもしれません。
マウスピース矯正ができないときの対処法
マウスピース矯正ができないと診断された場合でも、他の矯正治療法が存在します。適切に対処することで、理想的な歯並びを手に入れることが可能です。
ここでは、マウスピース矯正で治療できない場合の対処法について詳しく解説します。
ワイヤー矯正を検討する
マウスピース矯正ができない場合、従来のワイヤー矯正が最も一般的な代替手段となります。ワイヤー矯正は、歯にブラケットを装着し、ワイヤーで歯を少しずつ移動させる方法です歯並びの乱れや咬合不良が重度であっても、しっかりと対応できる高い矯正力が特徴です。
マウスピースでは対応できない複雑な症例にも適応可能であり、確実に歯を移動させることができます。
外科的矯正を検討する
重度の咬合不良や顎の位置異常がある場合、矯正治療だけでは十分な効果が得られないことがあります。その場合、外科的矯正が必要かもしれません。
外科的矯正は、外科手術を併用して顎の位置を修正し、その後、矯正装置を用いて歯並びを整える方法です。マウスピース矯正では対応できない骨格的な問題を根本的に解決できます。
セラミック矯正を検討する
セラミック矯正は、歯の表面にセラミックを貼り付けて歯並びを整える方法です。実際に歯を移動させるわけではありませんが、マウスピース矯正やワイヤー矯正よりも短期間で見た目を改善できます。
特に、歯の形状や色を同時に改善したい場合に選択されることが多いです。
マウスピース矯正以外の矯正の種類
矯正治療は、歯並びや噛み合わせを改善し、健康的な口腔環境を整えるための重要な治療法です。マウスピース矯正はその中でも人気のある方法ですが、他にも矯正治療にはいくつかの選択肢があります。
主な矯正方法は、以下のとおりです。
- ワイヤー矯正
- 外科的矯正
- セラミック矯正
ワイヤー矯正は、最も一般的で歴史のある矯正方法です。歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を取り付け、ワイヤーを通して歯を少しずつ動かしていきます。軽度から重度の歯並びの乱れまで幅広く対応できる方法です。
装置が目立つことがデメリットですが、歯の裏側(舌側)に装置をつける方法や、白色のブラケットやワイヤーの使用に対応している歯科医院もあります。
外科的矯正は、骨格的な問題を改善するために行われます。顎の骨の位置やバランスはマウスピース矯正やワイヤー矯正では調整できないので、必要に応じて選択されます。
セラミック矯正は、歯の表面を薄く削ってセラミックを貼り付け、審美性を改善する施術です。矯正とは言っても、歯の移動は伴いません。
他の方法よりも短期間で歯並びを整えられること、歯の色や形状も調整できることが特徴です。
マウスピース矯正のメリット
以下に、マウスピース矯正の主なメリットについて詳しく解説します。
装置が透明で目立たない
マウスピース矯正の最大の特徴は、装置が透明で目立たないことです。装着していることが分かりづらいため、治療中でも自然な外見を保つことができます。
特に、見た目を重視する方や、職場や学校などで矯正装置が気になる方にとって、大きなメリットとなります。ワイヤーやブラケットを使用する従来の矯正方法とは異なり、マウスピースはプラスチック素材で作られているため、周囲に気づかれることなく治療を進められます。
食事や歯磨きがしやすい
マウスピース矯正の装置は取り外しが可能であるため、食事や歯磨きを通常どおり行えます。従来の矯正装置と異なり、食事の際に特定の食べ物を避ける必要がありません。
また、歯磨きやフロスがしやすいため口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを減らせます。
痛みや不快感が少ない
マウスピースは患者さまの歯型に合わせてカスタムメイドされるため、装着感が非常に良く痛みや不快感が少ないのが特徴です。従来のワイヤー矯正では、ワイヤーやブラケットが口腔内の粘膜に当たって痛みを感じることがあります。
マウスピースは滑らかな素材でできているため、そうした不快感を軽減できます。
治療計画を可視化できる
マウスピース矯正では、治療前にデジタル技術を使用して治療の過程や最終的な仕上がりをシミュレーションすることが可能です。治療がどのように進行するかを事前に確認できるため、安心して治療を受けられるでしょう。
金属アレルギーの心配がない
従来のワイヤー矯正は、金属アレルギーのリスクがある患者さまには不向きでした。マウスピース矯正は金属を使用しないため、アレルギーのリスクがほとんどありません。
ライフスタイルに合った治療
マウスピース矯正は、患者さまのライフスタイルに合わせて柔軟に治療を進めることができます。例えば、スポーツや楽器演奏など、従来の矯正装置では不便を感じる活動も、マウスピースであれば影響を最小限に抑えることができます。
また、大事なイベントや会議の際には、一時的にマウスピースを外すことも可能です。
ただし、1日20~22時間以上の装着が推奨されているため、計画的に装着時間を守ることが求められます。
マウスピース矯正のデメリット
以下に、マウスピース矯正の主なデメリットを詳しく解説します。
重度の問題には不向き
マウスピース矯正は、軽度から中等度の歯並びの乱れには効果的ですが、重度の歯並びや噛み合わせの問題には対応が難しい場合があります。マウスピース矯正だけでは十分な効果が出ない場合、別の矯正方法を行ったり、ワイヤー矯正を併用したりしなければなりません。
装着時間の管理が必要
マウスピース矯正の効果を最大限に引き出すためには、1日20~22時間以上の装着が推奨されています。自己管理が必要なため、装着時間を守らないと治療が計画通りに進まないことがあります。
飲食時には取り外す必要がある
糖分が含まれていない水以外を飲食する場合はマウスピースを外さなければならず、管理が面倒に感じるかもしれません。また、外出先では常にケースを持ち歩き、衛生的に保つことが必要です。
まとめ
マウスピース矯正は、透明で目立たず快適に治療を進められる点が大きな魅力ですが、すべての歯並びや噛み合わせに適用できるわけではありません。例えば、重度の歯並びの乱れや、顎の位置に問題がある場合、マウスピース矯正では十分な効果が得られないことがあります。
また、自己管理が難しく装着時間を守れない場合も、治療が計画通りに進まないリスクがあります。こうした場合、ワイヤー矯正や外科的矯正など、他の矯正方法を検討する必要があるでしょう。
マウスピース矯正が難しいと感じた場合でも、適切な代替手段を選ぶことで理想的な歯並びを実現できます。歯科医師と十分に相談し、自分にあった治療法を見つけましょう。
矯正治療を検討されている方は、港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科や審美歯科、矯正歯科など小児歯科など、さまざまな診療を行っています。診療案内はこちら、お問い合わせフォームもご用意しておりますのでぜひご活用ください。