こんにちは。港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院です。
歯の神経を抜く治療は根管治療と呼ばれ、深い虫歯や外傷によって神経が炎症を起こした場合に行われます。痛みを取り除き歯を保存するために必要な治療ですが、神経を抜くことでどのような影響があるのか、気になる方も多いでしょう。
この記事では、歯の神経を抜くとどうなるのか、治療のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
歯の神経の役割
歯の神経(歯髄)は、歯の中心部分に存在する柔らかい組織です。主に血液供給、感覚伝達、歯の成長維持の役割を果たしています。
これらの機能を通じて、歯の健康を保ち外部からの刺激や損傷に対して反応を示します。
歯への栄養供給
歯の神経は、歯に血液を供給する重要な役割を持っています。血液は、歯の内部に酸素や栄養を運んで歯の細胞を活性化し、健康を維持します。
また、歯が栄養をしっかりと得ることで、外部からのダメージに対する修復力が高まります。特に、外部からの微細な損傷に対して、神経を通じて歯が適切な修復を行うのです。
痛みや温度の感覚伝達
歯の神経は、痛みや温度の感覚を伝えるセンサーとしての役割も担っています。冷たい飲み物や熱い食べ物を摂取したときに痛みや違和感を覚えるのは、歯の神経が刺激を感知して脳に伝えるためです。
歯の内部に問題がある場合や虫歯が進行している際に、早期に異常を察知するための重要な機能です。
歯の成長と健康維持
特に歯が発育段階にある場合、神経は成長を支える重要な役割を果たします。歯の根や他の組織が正常に形成され、歯が正しい位置で発育するためには神経からの刺激が必要です。
歯が成熟した後でも、神経は健康維持において重要です。神経が正常に機能していることで、歯は外部からの損傷に対しても強くなります。
歯の神経を抜く「根管治療」とは
根管治療とは、虫歯や外傷などによって歯の神経が感染・炎症を起こした場合に、痛みや炎症を解消し歯を保存するために行われる治療法です。神経が入っている根管内を清掃し、感染部位を除去した後、空洞をしっかりと封鎖します。
治療後は、被せ物などで歯を保護して元の機能や見た目を維持します。
根管治療が必要な症例
どのような場合に根管治療が必要になるのか、確認しましょう。
深い虫歯
虫歯が進行し、エナメル質や象牙質を越えて歯の神経にまで達した場合、神経が感染し炎症を起こします。初期段階の虫歯であれば詰め物や被せ物で対応可能ですが、神経まで達した場合は、神経を除去しない限り炎症が広がります。
激しい痛みや腫れを引き起こすため、根管治療を行う必要があります。
歯髄炎
歯髄炎は、虫歯の進行や外傷によって歯髄が炎症を起こした状態です。初期の歯髄炎なら神経を温存できる可能性もありますが、重度になると神経が回復しません。痛みを取り除くために、神経を抜く必要があります。
根尖性歯周炎
虫歯や歯の損傷により、歯の根の先(根尖)が感染している場合も根管治療が必要です。神経の感染が進行すると歯を支える骨にも影響を与えることがあり、放置すると歯が抜ける原因になります。
外傷による神経の損傷
事故や強い衝撃で歯に外傷を負い、歯の神経が損傷することがあります。神経が損傷したまま放置すると感染や痛みが発生するため、根管治療によって神経を除去して歯を保存する必要があります。
歯の神経を抜くとどうなる?
歯の神経は痛みを感じる役割を持っており、神経を抜くと痛みがなくなります。痛みという不快な症状を感じなくなるのは良いことだと思うかもしれませんが、神経を抜く処置にはリスクも伴います。
歯の神経を抜くとどうなるのか、詳しく確認しましょう。
痛みがなくなる
神経を抜くと痛みを感じなくなるため、虫歯や炎症による不快感や痛みは解消されます。重度の虫歯や神経が炎症を起こしている場合には、大きなメリットでしょう。
神経を取り除くことで、炎症や感染の進行を止めて痛みの原因を取り除くことができます。
ただし、痛みがなくなることにはデメリットもあります。再感染した場合に痛みや違和感などのサインを感じられないため、重症化する可能性があるのです。
歯が脆くなる
神経は、歯に栄養を供給し歯自体を強く保つ役割を果たしています。神経を抜くと、その機能が失われるため、歯は徐々に弱く脆くなります。噛む力に耐えられなくなり、歯が割れてしまうこともあるでしょう。
そのため、根管治療後にはクラウン(被せ物)などで歯を保護する必要があります。
変色する可能性がある
歯の神経を抜いた後、歯が黒ずんだり色が変わったりすることがあります。これは、歯の内部に血液や組織が残って酸化するためです。
見た目が気になる場合、特殊なホワイトニングやセラミッククラウンを使って修復することが可能です。
歯の神経を抜くメリット・デメリット
ここでは、歯の神経を抜くメリット・デメリットについて詳しく解説します。
歯の神経を抜くメリット
歯の神経を抜くメリットは、以下の通りです。
痛みが解消される
虫歯や炎症により歯の神経がダメージを受けると、激しい痛みが生じることがあります。歯の神経を抜くことで、痛みの原因が取り除かれるでしょう。
特に、歯髄炎や根尖病変が進行している場合、根管治療で激しい痛みから解放されます。
歯の保存が可能になる
歯の神経を抜けば歯を抜かずに保存できるということは、大きなメリットです。歯を失うことなく治療が完了するため、噛む機能や審美性を保ちながら歯を維持できます。
インプラントやブリッジなどの補綴治療を避けられることもメリットと言えるでしょう。歯を補う治療には別途費用がかかるので、歯を残せれば経済的にもメリットがあります。
歯の健康を維持しやすい
虫歯や炎症が進行した場合でも、神経を抜けば歯自体を保つことができます。口全体の健康を維持しやすくなります。歯を失うと、他の歯への負担が増加したり咬合不良を引き起こしたりすることがあるためです。
歯がなくなることによるさまざまなトラブルを予防する効果が期待できるでしょう。
歯の神経を抜くデメリット
歯の神経を抜くデメリットは、以下の通りです。
歯が脆弱化する
神経を抜くと歯への栄養供給がなくなり、歯が脆くなるリスクがあります。神経がない歯は、割れやすくなることが多く、特に奥歯や強い咬合力がかかる部分では注意が必要です。
脆弱になった歯を保護するためには、クラウン(被せ物)を装着する必要があります。
歯が変色する可能性がある
神経を抜いた歯は、時間が経つと内部の組織が変質し、歯が黒ずんだり変色することがあります。特に、前歯など審美性が求められる部位では、ホワイトニングやセラミックなどの治療が追加で必要になる場合があります。
感覚が喪失する
神経を抜けば、感覚が失われます。一見メリットのように思われるかもしれませんが、感覚がなくなると虫歯の進行に気づかず、歯の健康状態を見逃すリスクが高まることがあります。
そのため、根管治療が完了した後も定期的な歯科検診が欠かせません。
再治療の可能性がある
根管治療が完了しても、後々再感染が起こるリスクがあります。治療後、しっかりと根管が封鎖されていない場合や、クラウンが適切にフィットしていない場合、細菌が再び侵入する恐れがあるのです。
この場合、再治療や抜歯が必要になるケースもあります。
まとめ
この記事では「歯の神経を抜くとどうなる?」という疑問に焦点をあて、根管治療のメリットやデメリットを解説しました。
歯の神経を抜く治療、つまり根管治療は、虫歯が進行して神経が炎症を起こして痛みが出たり、感染が広がった場合に必要となります。根管治療の目的は、痛みを取り除いて歯をできるだけ長く保存することです。
ただし、歯の神経を抜くと、歯が脆くなるリスクもあります。歯が栄養を受け取れなくなるため、変色したり割れやすくなることがデメリットです。
根管治療を行うことで抜歯を避け、歯を残すことができるのは大きなメリットとも言えるでしょう。
根管治療を考える際は、メリットとデメリットをよく理解し、担当の歯科医師としっかりと相談することが大切です。
根管治療を検討されている方は、港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科や審美歯科、矯正歯科など小児歯科など、さまざまな診療を行っています。診療案内はこちら、お問い合わせフォームもご用意しておりますのでぜひご活用ください。