こんにちは。港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院です。
歯並びや歯の健康は、見た目だけでなく口腔内の健康に大きく影響します。食事を楽しむためにも重要でしょう。近年では、歯列矯正を検討される方も多くなりました。
目立ちにくい矯正治療として、インビザラインが人気を集めています。インビザラインとは透明なマウスピースを使用した矯正方法で、目立ちにくい上に痛みが少ないことから人気です。
しかし、すべての症例に対応できる治療法ではありません。
本記事では、インビザラインで矯正できない症例と、その場合の対処法について解説します。インビザライン矯正を検討中の方の参考になれば幸いです。
インビザラインとは?
インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発した透明なマウスピース型の矯正装置です。
従来のワイヤー矯正と異なり金属を使用していないため、金属アレルギーの方でも矯正できます。歯にぴったりとフィットする合成樹脂でできたマウスピースを装着して理想の歯列を目指します。
1週間〜2週間に1回マウスピースを交換することで、少しずつ歯を理想の位置まで動かす矯正方法です。少しずつ歯を動かすため、ワイヤー矯正と比較すると痛みが少ない傾向があります。
取り外し可能なため、食事や歯磨きを普段通り行えることがメリットでしょう。マウスピース自体の洗浄もできるため衛生的です。
インビザライン矯正は、目立たない、痛みが少ないなど、メリットが多いことから人気を集めています。
インビザラインで矯正できない症例とは?
インビザライン矯正では、マウスピースを1週間〜2週間に1回交換することで少しずつ歯を動かします。細かく歯の位置を調整するのは得意ですが、大きく歯を動かす治療には適していません。
以下では、インビザライン矯正ができない症例をご紹介します。ご自身の歯並びの乱れが当てはまるか確認しましょう。
重度の出っ歯
出っ歯は、上顎の歯が正常よりも前方に突出している状態を指します。軽度から中度の出っ歯であればインビザラインでの治療が可能ですが、重度の出っ歯は適応外です。
重度の出っ歯になる理由として考えられるのは、上顎と下顎の大きさのバランスが悪い、もしくは歯が大きすぎて歯列に並ばないことが挙げられます。
顎のバランスが悪いケースでは、顎の骨の位置を調整する外科治療が必要です。歯が大きすぎるケースでは、歯を複数本抜いて並べるためのスペースを確保しなければならないでしょう。
どちらの場合も大きく歯を移動させて治療する必要があるので、インビザラインでの治療が難しいです。
重度の受け口
受け口は、下顎の歯が上顎の歯よりも前方に突出している状態を指します。これも出っ歯同様、軽度から中度の受け口ならインビザラインで治療可能ですが、重度の場合は別の治療法を検討するべきです。
重度の受け口では、顎の骨自体を手術で動かす必要があるケースが多く、インビザラインでは対応できません。歯科医院に相談して、別の矯正方法を提案してもらいましょう。
重度の叢生
叢生は、歯が詰まり合って歯並びが乱れる状態を指します。軽度から中度の叢生であれば、インビザラインでスペースを作って歯を整えることが可能です。
しかし、重度の叢生では、歯を抜くなどの処置を必要な場合が多いでしょう。歯を抜くと移動距離が長くなるので、インビザラインだけでは対応できません。
叢生は、歯が歯列に収まらないことが原因で起こる歯並びの乱れで、治療するためには歯を並べるスペースが必要です。必要なスペースが少なければ、歯の側面を少量削るIPRで対応できますが、大きなスペースが必要な場合は抜歯を行います。
抜歯をすることで1本につき約7mmのスペースを確保可できますが、他の歯をあいたスペースに移動するには歯を大きく動かす必要があります。インビザラインのマウスピース1枚では最大0.25mmしか歯を動かせないため、矯正期間が伸びる原因になりかねません。
顎の骨格に異常がある
顎が上下でずれている場合や、前に突出しているような先天的の骨格異常がある場合は、インビザラインで矯正できません。ワイヤー矯正や外科手術の併用が必要です。
しかし、ご自身の歯並びの乱れが骨格によるものなのか、判断するのは困難でしょう。不安な方は、一度歯科医師に相談してください。
虫歯がある
インビザライン矯正を始めた後は、虫歯や歯周病の治療が困難です。マウスピースは精密に作られているため、歯を削ると装着できなくなることがあるのです。
矯正前に虫歯がある場合は、まず虫歯治療から始めます。完全に虫歯が治ってから、インビザライン矯正を始める必要があるのです。
虫歯があると矯正治療をスムーズに始められないので、矯正を始める前から日頃のケアはしっかりと行いましょう。
インビザラインで治療できない場合はどうしたらいい?
インビザラインで矯正が難しい場合でも、歯列矯正を諦める必要はありません。他の矯正治療法を選択することで、歯列を整えることが可能です。
インビザラインで矯正できない場合は、以下の治療法が考えられます。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、従来から行われている矯正治療です。金属製のワイヤーとブラケットを用いて、歯を1本ずつ動かします。インビザライン矯正よりも歯に強い力を加えられるため、歯を大きく動かすことが得意な矯正方法です。
抜歯を行う矯正や、奥歯から全体を大きく動かす矯正にも対応できます。
ただし、ワイヤー矯正にもデメリットはあります。
- 金属が目立つため審美性が低い
- 矯正時の痛みが強い傾向がある
- 取り外しができないため歯磨きやメンテナンスに手間がかかる
ワイヤー矯正を検討する際は、メリットとデメリットをよく確認してから決めましょう。
ワイヤー矯正とインビザラインの併用
ワイヤー矯正とインビザラインを併用することで、重度な歯並びの乱れに対応できる場合もあります。ワイヤー矯正で大きな歯の移動を行った後、インビザラインで微調整を行う方法です。
ワイヤー矯正のデメリットは審美性の低さですが、インビザラインを併用すればワイヤー矯正の期間を短縮できます。インビザラインだけでは治療が困難で、見た目を気にされる方が選択する傾向があります。
デメリットとしては、治療費が高くなる点と治療期間が長くなる点が挙げられます。気になる方は一度歯科医師に相談して、見積もりや治療計画を教えてもらうと良いでしょう。
外科矯正
重度の歯並びの乱れや顎の骨格の問題がある場合は、外科手術が必要になることもあります。手術だけを行うのではなく、ワイヤー矯正やインビザラインなどの矯正治療と併せて行うのが一般的です。
外科手術は大掛かりな治療ですが、顎のずれや顎のバランスの悪さなど、根本的な問題を解決できます。外科手術のデメリットは、以下のとおりです。
- 身体への負担が大きい
- 治療費が高額
- 術後に痛みや腫れが出る
多くの場合、前後に入院が必要になるほどの大掛かりな手術になります。治療費や身体への負担が大きくなることは言うまでもないでしょう。
歯科医師から詳しく説明を受けて、よく相談しながら進めましょう。
まとめ
今回は、インビザラインで矯正できない症例と対処法について解説しました。インビザラインは、目立ちにくい上に身体に負担の少ない治療法であるため、近年人気を集めています。
しかし、すべての症例に対応できるわけではありません。インビザライン矯正は歯を大きく動かすことが得意ではないため、重度な歯並びの乱れは治療できません。
インビザラインで治療できなくても、歯列矯正を諦める必要はありません。他の矯正法を選択することで治療できます。
ワイヤー矯正や外科手術を併用することで、歯を大きく動かし微調整としてインビザライン矯正を行うことも可能です。まずはご自身の歯並びがインビザラインで治療可能か確認し、困難であれば他の方法を歯科医師と相談しましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院にお気軽にご相談ください。