こんにちは。港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院です。
インビザラインとは、米国のアライン・テクノロジー社で開発されたマウスピース矯正の一つです。日本でも多くの歯科医院で取り扱われており、マウスピース矯正としては長い歴史があります。
インビザライン矯正のマウスピースは柔らかく、透明です。装着していても目立ちにくく、他人から気づかれることなく治療を進められます。また、固定式のワイヤー矯正と比較して、装着時の違和感や痛みが少ないことも特徴です。
多数のメリットがあるインビザラインですが、治療中に歯茎が下がったように感じるという声もあります。なぜ、そのようなことが起きてしまうのでしょうか。また、歯茎が下がることを予防する方法はないのでしょうか。
今回は、インビザラインによって歯茎が下がる原因や予防策、対処法も合わせて解説します。
歯茎が下がる原因
インビザライン矯正以外にも、さまざまな原因から歯茎が下がることがあります。
歯周病になった
磨き残しにより歯垢が蓄積すると、その中で歯周病の原因菌が繁殖します。歯周病は、歯茎に炎症を起こし、歯を支えている顎の骨を溶かします。同時に歯茎も退縮するので、歯茎が下がります。
歯茎を守るためには、歯周病の進行を遅らせられるように歯科医院でお口のクリーニングを受けることが大切です。
噛み合わせが悪いため
噛み合わせが悪いと、一部の歯に大きな負担がかかるため歯茎に炎症が起こることがあります。炎症が続くと歯茎が下がります。
被せ物や詰め物の不備も噛み合わせが悪くなる原因になるので、違和感があった際は早めに対処することが大切です。
ブラッシングの際に歯茎を傷つけた
歯ブラシで磨く際に歯茎に強い力で歯ブラシを当てると、歯茎が傷ついたことによって歯茎が下がることがあります。特に、歯並びが悪い場合や、サイズが合わない歯ブラシやフロスなどを使用している場合、歯茎が傷つきやすいので気をつけましょう。
歯ぎしりや食いしばりの癖があるため
強い歯ぎしりや食いしばりがある場合、歯が削れることがあります。歯茎に大きな力がかかるため、歯茎が下がることもあります。
歯ぎしりや食いしばりは無意識に行うことが多いので改善が難しいですが、就寝中はナイトガードで保護すれば症状を軽減できます。
歯茎だけではなく、歯を損なう恐れがあるので早めに歯科医院に相談しましょう。
矯正治療で強い力が加わったため
矯正治療の際に過度な力が加えられた場合、骨や歯茎に負担がかかり、歯茎が下がることもあります。歯を動かすためには力を加える必要がありますが、適切に調整することが大切です。
インビザラインで歯茎が下がることはある?
矯正治療によって歯茎が下がることもあるとお伝えしましたが、インビザライン矯正に関してはそうした例は多くありません。固定式のワイヤー矯正と比較すると、マウスピース矯正で加えられる力はゆるやかだからです。
しかし、インビザライン矯正で歯茎が下がる可能性はゼロではありません。以下のような要因があると、インビザライン矯正でも歯茎が下がることがあります。
元々歯茎が薄い
噛み合わせが悪かったり歯周病になっていたりすると、歯茎が薄くなります。その状態で矯正治療を行うと、歯茎に負担がかかって下がる可能性があります。
重なって生えている歯を矯正した
歯が重なって生えている叢生を、インビザラインで矯正する方もいるでしょう。その場合、その部分の顎の骨が少なくなるケースがあります。
顎の骨が少なくなると、歯茎も退縮することがあります。
歯周病が進行している時に矯正を行った
上述したように、歯周病は歯茎が下がる原因になります。歯周病が進行している状態でインビザライン矯正をするとさらに歯茎にダメージを与えかねません。
虫歯や歯周病がある場合は先に治療を行うのが一般的ですが、無理にインビザラインを始めると歯茎が下がる可能性があります。
マウスピースを正しく装着していない
誤った方法でマウスピースを装着すると、歯茎にダメージを与えることがあります。マウスピースは、歯としっかり密着した状態で適切な矯正力が加わるように設計されています。
正しく装着できていないと、過剰に力がかかったり、不適切な方向に歯が移動したりする可能性があります。この場合、歯茎が下がる原因になり得るでしょう。
歯茎が下がるリスク
歯茎が下がると、以下のリスクが生じます。
- 歯が長く見える
- 虫歯のリスクが高まる
- 歯が欠けやすくなる
- 歯が不安定になる
歯茎が下がると、歯が長く見えルようになります。不健康にも感じられるので、審美性が低下したと思う方が多いです。また、歯茎が下がると歯と歯の間に隙間ができるので、食べ物が挟まりやすくなり虫歯になるリスクが高まるでしょう。
歯は、歯茎や顎の骨に支えられています。歯茎が下がるということは支えを失うということなので、歯が不安定になって揺れることもあります。
インビザライン矯正中に歯茎が下がるのを防ぐ方法
矯正治療によって歯並びを整えても、歯茎が下がるとお口全体の健康が損なわれます。インビザライン矯正を受ける際に歯茎が下がらないように、以下の方法で予防しましょう。
マウスピースの取り扱いに注意する
過度な力が歯茎にかからないように、マウスピースの取り扱いは歯科医師の指示を守って行いましょう。マウスピースの装着時間を守らない、マウスピースの交換時期がずれているといった場合は、歯茎に過剰な力がかかる可能性が高いです。
歯磨きやマウスピースの洗浄を欠かさない
歯茎が下がる大きな原因は、歯周病です。そのため、インビザライン矯正中に歯周病にならないよう、口腔内を清潔に保つように心がけましょう。
歯に汚れがついた状態でマウスピースを装着しないように、マウスピースを装着する前は歯磨きをしてください。また、マウスピースを装着したまま甘い飲み物を口にするのもやめましょう。
さらに、外した時はマウスピースをしっかり洗浄することも大切です。汚れが気になる時は、専用の洗浄剤を使うのもよいでしょう。
矯正治療中もこまめに歯科医院に通ってクリーニングを受け、歯周病の原因である歯垢や歯石をためないことも大切です。
インビザライン矯正中に歯茎が下がったときの対処法
インビザライン矯正中に歯茎が下がったように思える時は、速やかに歯科医院を受診しましょう。実際に歯茎がどのような状態にあるかを確認して、必要な対処をします。次の受診のタイミングを待つのが不安な場合は、遠慮せずに受診しましょう。
歯茎が下がっている原因が歯周病であれば、一旦矯正治療を中断して歯周病治療に集中することもあります。マウスピースが患者さまに合っていないケースでは、そのままそのマウスピースを使い続けるとさらに歯茎が下がることもあるので、マウスピースを調整します。
下がった歯茎が気になる場合は、以下の治療法で改善させることもあります。
顎の骨を再生させて歯茎を元の状態に戻す
骨が失われて歯茎が下がっている場合は、骨を再生させて歯茎を盛り上げます。エムドゲイン法、GTR法、骨移植などにより、歯周組織を再生させます。
別の場所から歯茎を移植する
患部とは別の場所の歯茎を移植することで、下がっている箇所を補う治療法もあります。同じ歯の歯茎を引っ張り上げて移動させる方法を選択できる場合もあるでしょう。
ヒアルロン酸注入で歯茎を再生させる
ヒアルロン酸を歯茎に注入することで、歯茎の状態を回復させることも可能です。この場合は、ヒアルロン酸はいずれ体内に吸収されるのでしばらくすると元に戻ります。同じ状態を保つにはヒアルロン酸を再度注入しなくてはいけません。
また、歯茎が健康な状態でなければ注入できません。
まとめ
インビザライン矯正によって、歯茎が下がることもあります。
しかし、あらかじめ歯茎の状態を整えて治療を開始すれば、リスクを下げることが可能です。マウスピースを正しく装着し、口腔内を清潔に保てば基本的には歯茎は下がらないでしょう。
歯茎に限らず、治療中に違和感があった時は早めに歯科医院に相談しましょう。
インビザラインを検討されている方は、港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科や審美歯科、矯正歯科など小児歯科など、さまざまな診療を行っています。診療案内はこちら、お問い合わせフォームもご用意しておりますのでぜひご活用ください。