こんにちは。港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院です。
歯周病は、30歳以上の多くが罹患している身近な疾患です。初期段階では自覚症状が少ないため、気づいたときには重症化していることも少なくありません。
歯を失う大きな原因として挙げられる歯周病ですが、適切なケアをおこなっていれば進行を防ぎ健康な歯と歯茎を保つことが可能です。
今回は、歯周病の原因や歯周病を防ぐための方法、歯科医院でおこなう歯周病治療の流れなどについて解説します。
歯周病とは
歯周病とは、歯を支える歯茎やあごの骨などの歯周組織が炎症を起こす病気です。歯周病は、歯の表面や歯茎との境目に残るプラークが原因で罹患します。初期段階では、歯茎が赤く腫れ、ブラッシング時に出血するなどの症状が現れるケースが多いです。
しかし、この状態を放置すると歯を支えるあごの骨にまで炎症が広がり、最終的には歯が抜け落ちる可能性もあります。
歯周病は早期に発見し、適切な治療を受けることで進行を抑えることが可能です。日頃からしっかりとセルフケアを行い、歯科医院の定期検診を受診して対策することがポイントになるでしょう。
歯周病のセルフチェック
歯周病は、早期に発見し適切な治療を受けることが重要です。
しかし、歯周病の初期段階では自覚症状が少なく、気が付いたときには進行しているケースも珍しくありません。そのため、ご自身で歯周病の症状に当てはまるものはないかセルフチェックをおこなうとよいでしょう。以下に、歯周病の主な症状をご紹介します。
歯茎に腫れや出血がある
歯周病に罹患すると歯茎に炎症が起こるため、歯茎が腫れぼったくなります。刺激に対して敏感になるため、ブラッシング時や硬い食べ物を噛んだ際に違和感をおぼえたり出血したりすることがあります。
ブラッシング中に血が混じる場合は、歯周病の初期症状である可能性が高いです。
歯茎の色が変化している
健康な歯茎は薄いピンク色です。
しかし、歯周病に罹患して歯茎が炎症を起こすと歯茎の色が変化することがあります。炎症を起こした部分の歯茎の赤みが増したり赤紫がかった色に変わったりすることがあるのです。
口臭が強くなる
歯周病によって口臭が発生するケースもあります。プラークの中に生息する細菌のなかでも、歯周病菌は代謝の過程で口臭の原因となるガスを産生し、口臭を感じやすくなるのです。
噛んだときに違和感や痛みを感じる
歯周病が進行すると歯を支えるあごの骨が吸収されるため、噛んだときに違和感をおぼえたり痛みが生じたりする場合があります。また、歯茎が炎症を起こしていることで抵抗力が下がると歯周病菌が優位に働き、歯茎が腫れて痛みが生じる可能性が高くなるでしょう。
歯が動揺する
中度〜重度の歯周病では、歯を支えるあごの骨が吸収されるため、支えを失った歯はぐらぐらと動揺するようになります。放置すると、最終的には歯を失うリスクが高まるでしょう。
歯周病の原因は?
歯周病を防ぐためには歯周病の原因を知ることが大切です。歯周病の主な原因は、大きく以下の2つです。
プラーク
歯周病の主な原因は、歯の表面や歯と歯茎の境目などに残るプラークです。プラークの中には虫歯菌や歯周病菌など多くの細菌が生息しています。
プラークはブラッシングで除去できますが、磨き残しなどで長期間プラークが残っていると炎症を引き起こす原因になります。とくに、歯並びが悪い部分や歯に合っていない被せ物があるとブラッシングが不十分になる可能性が高いため注意が必要です。
プラークが石灰化すると歯石になります。歯石は歯ブラシで落とすことができません。また、表面が粗造なのでプラークが付着しやすく、歯周病を進行させる原因になります。適切に処置をしないと炎症が広がり、歯を支える骨にまでダメージを与えることもあるでしょう。
生活習慣
生活習慣は歯周病の間接的な原因になります。睡眠不足や偏った食生活、ストレスなどは身体の抵抗力を低下させます。身体の抵抗力が低下すると細菌に対する抵抗力も弱まり、歯周病に罹患するリスクが高まるため注意が必要です。
また、喫煙は歯周病のリスクを大幅に高める要因になります。タバコに含まれるニコチンなどの有害物質は、歯茎の血流を悪化させ、免疫力を低下させます。
さらに、歯周病と全身疾患には深い関わりがあり、糖尿病は歯周病のリスクを高める疾患のひとつです。糖尿病は体の免疫機能を低下させるため、結果として歯周病に罹患するリスクが高まります。
歯周病菌の進行過程
歯周病の進行過程は大きく歯肉炎と歯周炎に分けられます。また、歯周炎は進行度によって軽度・中等度・重度に分類されます。以下に歯周病の進行度について解説します。
歯肉炎
歯周病の初期の状態を歯肉炎といいます。歯肉炎は歯茎が炎症を起こしている状態です。歯茎が赤く腫れたりブラッシングで出血したりすることがありますが、痛みを感じないケースが多いため、気が付かない方も少なくありません。
歯肉炎の段階で適切なケアがおこなわれれば治癒する可能性もあるでしょう。
軽度歯周炎
歯肉炎が進行すると、軽度の歯周炎に移行します。歯周炎に進行すると炎症が歯茎だけでなく、歯を支えるあごの骨にも広がります。歯肉の腫れやブラッシング時の出血のほか、口臭が気になることもあるでしょう。
また、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットが深くなります。この歯周ポケット内に細菌が侵入して繁殖すると、さらに炎症が悪化するリスクが高くなります。
中等度歯周炎
中等度の歯周炎では、炎症が進行して歯を支えるあごの骨に影響が現れはじめます。あごの骨の破壊が進んで歯がグラつき、歯茎が下がって根っこ部分が露出することもあります。
硬い物を食べると違和感をおぼえたり、疲れがたまると歯茎が腫れたりすることもあるでしょう。歯周ポケット内の細菌が増殖し、歯周病がさらに進行しやすい環境になるため、進行を止めるためには歯科医院で専門的な治療を受ける必要があります。
重度歯周炎
重度歯周炎は、歯を支えるあごの骨や組織が大幅に破壊されている状態です。重度歯周炎にまで進行すると、歯が自然に抜け落ちる可能性もあります。歯茎が炎症を起こし、強い痛みや膿が出ることもあります。
日常生活に支障をきたすほどの症状が現れることがあるため、最悪の場合には歯の抜歯が必要となることも少なくありません。この状態にまで進行する前に、治療を受けることが重要です。
歯周病を予防する方法
歯周病は予防することができる疾患です。ここでは、歯周病を予防する方法を3つご紹介します。
しっかりとセルフケアをおこなう
歯周病の直接的な原因は歯の表面に残るプラークです。歯周病を予防するためには、しっかりとセルフケアをおこなって口内を清潔に保つことが重要です。
歯並びが悪い部分や歯と歯の間は磨き残しが生じやすいです。デンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシなど、ご自身の口内に合う適切な補助清掃用具を使用して丁寧に磨くようにしましょう。
とくに、就寝中は唾液の分泌量が減少し、細菌が繁殖しやすくなるため、就寝前にはしっかりとプラークを落とす必要があります。歯周病の進行を防ぐためにも、適切な方法でブラッシングを行い、しっかりとプラークを除去しましょう。
定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける
ご自身ではしっかりとプラークコントロールができていると思っていても、セルフケアだけでは不十分な場合もあります。
歯科医院で定期メンテナンスを受けることで、磨き残しが多い部分や磨き癖を知ることができます。また、歯科医師や歯科衛生士にお口の中を確認してもらい、ケアしてもらうことで、セルフケアでは落としきれないプラークや歯石、着色汚れを除去できます。
また、歯周病の兆候を早期に発見できるため、進行を防ぐことにもつながるでしょう。歯科医院の定期メンテナンスは3か月〜半年に1回の頻度で受診をすすめられるケースが多いです。少なくとも年に1回は確認してもらいましょう。
生活習慣を整える
生活習慣が原因で歯周病になることもあります。慢性的な睡眠不足やストレスによって身体の抵抗力が弱まると、歯周病菌の活動が優位になるでしょう。規則正しい生活とバランスの取れた食事など、健康的な生活を意識して日頃から身体の調子を整えることも大切です。
また、喫煙は歯周病を進行させる原因になります。タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させるため歯茎の血流を阻害します。血流が悪化すると細菌に対する抵抗力が低下するため、結果として歯周病の進行に繋がるでしょう。
歯周病の予防を考えるうえで禁煙を検討することは、とても効果的です。喫煙は全身の健康にも悪影響を与えるため、禁煙や本数を減らすように努めてください。
歯周病の治療の流れ
歯周病に罹患した場合は、どのような治療がおこなわれるのか気になっている方も多いでしょう。以下に歯周病の一般的な治療の流れを解説します。
検査・診断
お口の中の気になる点や症状などを伺ったうえで、視診やレントゲン写真の撮影、検査をおこないます。その後、検査結果をもとに治療計画を立てます。
スケーリング・ルートプレーニング
歯磨きでは落としきれない歯石を、スケーリングをおこなって取り除いていきます。その後、ルートプレーニングで歯の根の表面を滑らかに整えて細菌が付着しにくい環境を作ります。
初期の歯周病の場合は、スケーリングとルートプレーニングを行うことで歯茎の炎症が軽減され歯周病の進行を防ぐことができるでしょう。
歯周外科治療
歯周病が進行しているケースでは、スケーリングとルートプレーニングだけでは改善が難しいことがあります。
思うような結果が得られなかった場合は、歯茎を切開して目視できる状態で歯石を取り除くフラップ手術や、失った骨を再生させる歯周組織再生療法などの外科的治療が必要になることがあります。
再評価・メンテナンス
一定期間をおいて歯茎の状態を再評価します。改善が見られた部分は必要に応じてスケーリングとルートプレーニングをおこないます。
歯周病は一度完治してもケアが不十分だと再発します。そのため、セルフケアと併せて定期的にメンテナンスを受けることが重要です。定期的にクリーニングや検診を受けることで、歯周病の再発を予防し、歯茎と歯を健康な状態に保てます。
まとめ
歯周病の主な原因は、歯に付着したプラークです。また、睡眠不足やストレス、喫煙などの生活習慣が原因で歯周病に罹患することもあります。初期の段階では歯茎の腫れや出血などの症状がみられますが、放置すると最悪の場合には歯が抜け落ちる可能性もあります。
歯周病は、日々のセルフケアと歯科医院での定期メンテナンスで予防できる疾患です。健康な歯と歯茎を維持するためにも、日頃からしっかりとセルフケアをおこない、歯科医院の定期メンテナンスを受けましょう。
歯周病にお悩みの方は、港区芝「赤羽橋駅」より徒歩3分にある菊竹歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、一般歯科や審美歯科、矯正歯科など小児歯科など、さまざまな診療を行っています。診療案内はこちら、お問い合わせフォームもご用意しておりますのでぜひご活用ください。