歯を失った際の選択肢には、ブリッジやインプラント、部分入れ歯などがありますが、条件が揃う場合は「歯の移植」も有力な選択肢となります。
認知度はそれほど高くはないのですが、歯の移植は歴史のある技術で成功率はとても高く、当院では多くの実績があります。
なお、かつては他人の歯の移植も行われていましたが、現在は自分の親知らずなどを有効利用する移植のみ取り扱っております。(自家歯牙移植=じかしがいしょく)
歯の移植は成功率の高い選択肢
歯の移植の条件とは
以下の条件を満たした場合、歯の移植を行うことができます
- 噛み合わせに関係していない歯(ドナー歯:親知らずなど)があること
- 歯根膜(歯の周りの線維組織)が健康な状態であること
- 移植先の欠損部分の状態が移植する歯とある程度適合すること
- 患者さんが成功率の高い健康状態にあること
- 非喫煙者もしくは長期の禁煙者
歯の移植のプロセス
①診査
CT・レントゲン撮影や目視によりお口の状態を確認し、移植が可能かどうかの診断を行います。当院にて別の治療を受けられている場合、その際に取得した情報で審査が可能なケースもあります。
②ドナー歯3Dモデルの製作
確実な適合を得るために移植先の骨の形状を整えるツールとして、CTの3D情報をもとにしてドナー歯とほぼ同じ形のモデルをあらかじめ製作しておきます。
③移植手術の実行
モデルをもとに移植先の骨の形状を整えた上でドナー歯を抜歯し、移植します。定着を促すため、移植した場所を縫合して移植手術は終了です。(通常1時間から2時間)
④後処理と経過観察
数日後に消毒、1,2週間後に抜糸、その後定着を確認後、必要に応じて神経の治療や上部構造の補綴(ほてつ=被せ物などの加工)を行います。
⑤最終的な確認と調整
数ヶ月後(患者さんの状態次第)に最終的な補綴と噛み合わせの調整を行なって完了となります。